10年

  • 2020.09.06 Sunday
  • 16:49

 ここしばらくの休日の朝に長女と街中サイクリングを楽しんでいます。自転車にうまく乗れるようになりそこいら辺りをやたら走り回りたい様子の長女と、休日はじっとしていられない私の性分が合致して、早朝の松本をぐるぐるしています。いまひとつ「事故」や「交通ルール」の類に緊張感を持っていない長女を後ろにつけて、少しだけひやひやしながらも、昼とも夜とも違う街並みを楽しんでいます。早いもので長女は10歳になるようです。10年か、早いものだ。この娘は3月14日、つまりホワイトデーに誕生しました。3月生まれでなおかつ幼少時にかなり小柄だった私の遺伝子を受け継いでいるのでしょうか、娘は幼稚園でも小学校でも一番目か二番目のおチビさんです。4月生まれの同級生と並ぶと頭一つ以上の身長差が見受けられることもあります。しかし、それにしても成長したなぁとうれしく思っています。本日も1時間ほど早朝街中サイクリングを楽しみました。早い時間から店を開けているパン屋さんで朝食用に数個のパンを購入して、強めのにわか雨に降られて、照り出した太陽にあぶられて、心地良く疲れてから帰宅しました。珈琲を呑んでから久しぶりにテレビを見ることにしました。国営放送で再放送される「震災10年 あの日、何をしていましたか?」という番組です。長女は10歳になります。娘は東日本大震災3日後に生まれたのです。ホワイトデーなんてどうでもいい年でした。福島で3号機が水素爆発した日のようです。あの日私は何をしていたでしょうか。当時勤めていた長和町の歯科診療所で患者さんの歯を削っていたのです。大きく揺れる古い診療所で診療する手を止めて、衛生士さんや患者さんと固まっておりました。それでも揺れが収まってから診療の続きを行っていると、待合室にあったテレビが緊急放送に変わったことに気づきました。この時点では「大変な事になっているようだなぁ」くらいのものでした。診療を終えて帰宅する準備を整えてからもう一度テレビを覗くと、「大変な事になっているようだなぁ」ではなくて「大変な状況になっている」ことがわかりました。その時以降のことは、当時物心ついていた人ならば、鮮明に覚えていることでしょう。帰宅してからも、その翌日も、その後何日も、そして今でも、大きく日本をぶちのめした自然災害および人災として報道されています。娘が生まれた時、「うれしいなぁ、俺が簡単に死ぬと娘が困るなぁ、困らせちゃかわいそうだよなぁ、自省しなけりゃな」と思ったのと同時に「ひどい時代に生まれてきやがった」とも思いました。娘のように、あの時生まれてきた人間もいればあの時に命を失った人間もいたのです。この震災で亡くなった方の誰もが、「親」であり「子供」であり、「孫」や「祖父母」であり、「友達」や「恋人、夫婦」、「ご近所さん」であったはずです。そして娘は10歳、震災直後に生まれた10歳です。元気に自転車をこいで笑っております。件の番組でも同学年の少女が出ていました。そのお母さんの言葉が番組の最後に流れます。その言葉をここには記しませんが、あの年に子供を授かった親は表現の違いはあれど、「子供ができて嬉しい」という当たり前な感情以外にもう一つだけ特別な思いを持つのではないでしょうか。10年か、早いなぁ。

 だけれどもこの国は悪い意味で何も変わっていない。「ひどい時代に生まれてきやがった」です。そしてたかが10年しか生きていない娘の人生に、今度は「コロナ騒動」だ。地震もウイルスも人類は避けられないことなのかもしれませんが、何しろ人間の脆弱さと世の中の矛盾が噴出してきてうんざりする。何もせずに、何もできずに、麦酒呑んでいます。地震が起きて、娘が生まれて、開業して、コロナが来て、遅ればせながら少しだけ大人になりました。無力な大人。毎日困窮してばかりで「世の中」までは手が出ない無力な成人。

 

 

 

             

             早朝松本サイクリング いつもと違う風景です 娘と私以外に誰もいない

 

             

 

             

 

             

 

             

 

 

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